冬キャンプの魅力といえば雪。しかしながら、仙台での積雪は年々減少しており、それを喜ばしく感じている方がいる一方、私などは冬キャンプで雪がないと損をしたように感じてしまいます(ただ寒いだけのキャンプ・・・)
ご存じのとおり、水の森公園キャンプ場は冬期間の営業は行っていませんが、仙台市内外のキャンプ場を見渡せば、通年で営業しているキャンプ場は結構ございます。また、秋保地区や新川地区など仙台市内でも比較的降雪量が多いエリアでも通年営業のキャンプ場もございますので、雪中キャンプにチャレンジしてみたい方はぜひ調べてみてください。
それでは、これから冬キャンプにチャレンジしてみたい方に楽しみ方や注意点など、私の経験も交えてお伝えしたいと思いますので、ご興味がある方はご覧いただけたらと思います。
冬キャンプはハードルが高いと感じる方も多いかと思いますが、ある程度の装備を整え、若干の注意事項を念頭に置けば意外と大丈夫(私の経験上)。春から秋に行なうキャンプとは違った魅力を感じることができるはず。
県内某キャンプ場にて
冬キャンプに必要な装備・・・シュラフ(寝袋)
冬キャンプを行う上で一番重要なのは防寒対策です。具体的には、地面からの冷気を遮るマット類、快適な睡眠を確保する為の保温性に優れたシュラフなどが挙げられます。特にシュラフについて言えば、春から秋のキャンプでの使用を想定している3シーズン用のものではスペック的に寒さをしのぐには厳しく、冬用のシュラフが必要となります。不安がある方はぜひご購入を・・・と気軽に言うのも気が引ける価格帯となっています。素材にもよりますが、ダウンシュラフは5~6万から安いもので2~3万円、一方、化繊のシュラフだと2万円以下で購入できるものもあります。それぞれに長所短所がありますので以下でご案内します。
①ダウンシュラフ
長所:コンパクトに圧縮することができる、軽い
短所:高額、濡れると性能が一気に低下する、洗濯等のメンテナンスに気をつかう
②化繊シュラフ
長所:ダウンと比べて安価、湿気に強い、丸洗いできるものもあり、メンテナンス性に優れている
短所:かさばる、冬用の化繊シュラフはダウンと比べて重い
冬キャンプに必要な装備・・・マット類
シュラフ同様、冬キャンプの快適性向上に重要なアイテムはキャンピングマットです。地面からの冷気を遮断する役割のほか、寝心地を左右する要素ともなるため、冬キャンプだけではなくキャンプをする上での必須アイテムといってもいいでしょう。
また、マットを選ぶうえで重要な要素は、「R値」という指標。R値とは「熱抵抗値」のことを言い、本来は建物の断熱性能を表す建築用語ですが、近年ではキャンプ用マットの性能表示などにも用いられるようになりました。
簡単に言えば、R値が高い製品ほど断熱性能が高く、地面からの冷気を遮ってくれるのです。また、R値は複数のアイテムを組み合わせることにより足し上がっていきますので、R値の低い製品であっても組み合わせによって断熱性を高めることが可能となります。
この数値を見ると、意外にも段ボールの断熱性能の高さに驚かされます( 寝心地は度外視)これは、段ボール断面の空気の層が断熱に大きな効果を発揮しているためです。要するに、対流しない空気(デッドエアー)は熱を通しにくいということ。二重構造の保温ボトルなどもこの原理です。
仙台での冬キャンプにおいては、夜間の気温が氷点下になることがほとんどであるため、スペックとしては、「R値」5.0~6.0程度の製品、もしくはその数値に近づけるよう、複数のギアを組み合わせることが大事。
最近ではインフレーターマット(空気で膨らませるタイプのマット)でもR値5.0以上のスペックを謳っている製品も多く販売されており、快適性&携行性に優れた製品も増えてきました。
冬キャンプに必要な装備・・・バーナー関係
寒い時期のキャンプで、バーナー類(OD缶、CB缶ともに)の火力が上がらない、一向にお湯が沸かないといった経験がある方もいるかと思います。これは「ドロップダウン現象」といい、気温が低い状況で長時間バーナーを使用するとガス缶の気加熱で缶の温度が下がるために火力が弱くなる現象です。これを避けるためには、プロパンの混合比率を寒冷地向けに調整したパワーガスを用いることが必要。しかしながら、本当の厳冬期においてはガソリンバーナーが最強。氷点下でも強い火力を維持しながらガンガン燃焼してくれます。
雪上にテントを設営する場合
雪中キャンプでのテント設営では除雪したうえで地面にペグを打ち込むことができればベスト。しかし、積雪状態によっては雪上にテントを設営することもあります。その場合、普通にペグを打っても強風時にはすっぽりと抜けてしまいます。雪上設営する場合は、下図のようにクロスさせた二本のペグ(薪でも可)をガイロープで結び、穴を掘って平置きしたうえで雪で踏み固めます。そうすることにより、風などで抜けることもなくしっかりとテントを固定することができます。
※撤収の時は掘り出さないといけないので大変ですが・・・
このように、春から秋にかけて使用していたギアでは不足を感じることもあるかと思います。寒さに対する耐性は人それぞれではありますが、寒い中での環境を少しでも快適なものにするためには、それに見合った道具だけではなく、ちょっとした工夫やキャンプで培ったスキルを活かすことが何より大事。また、冬キャンプに慣れたキャンパーさんはテント内に薪ストーブをインストールしたり、石油ストーブを持ち込むことも多く目にしますが、その場合は換気に十分気を配るとともに、一酸化炭素チェッカーなど万一の備えを考慮する必要があります。※基本的に多くのメーカーはテント内での火器の使用は推奨しておらず、厳禁としているメーカーもございます。
これらを読んで、ハードルが高いと感じる方も多いでしょうが、実際に冬キャンプ(特に雪中)をしてみれば、その楽しさはわかるはず。ぜひやってみて!!
それでは皆様、安心・安全で楽しいキャンプを!
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